管理人、最近ホームシアターの構築をたくらみ始めまして、どうしてもセンタースピーカーが欲しくなったのです。
もちろんお金をためて普通に買えばそこそこ性能の保障されたものが手に入るのでしょうが、そこはやはりYASのこと。どうせなら自作してみたくなってしまうのです。

自作スピーカーはオーディオマニアの間ではかなり浸透しているようですが、管理人はもちろん初めて。
とにかくチャレンジしてみることにしました。

※スピーカーの箱のことはエンクロージャと呼びます。なお、スピーカー本体はユニットといいます。
  スピーカーの自作は、普通エンクロージャの自作のことをさします。

スピーカーを作り始める前に、どんな形式のエンクロージャにするかを決めます。
主なものは
・平面バッフル型
・後面開放型
・密閉型
・バスレフ型
・ダブルバスレフ型
・バックロードホーン型
があります。
これらの説明は様々なところでされているので、ここでは省略します。うまく説明する自信もあまりないし・・

で、結局何を作るのかというと、バックロードホーンで決まりでしょう。
やっぱりこれだけはちょっと説明しておきましょう。
スピーカーはご存知の通り、すり鉢形のコーン紙を振動させて音を出します。よくあるスピーカーでは音はコーン紙の前面からしか取り出しませんが、バックロードホーンは後面の振動も生かします。後ろから出た音は、アルペンホルンのようにだんだんと広がる細い音道を通り、最終的に低音が増強されて出てきます。
中高音は音道を通る間に減衰されるので、スピーカーから直接出る音とホーンから出る音の干渉が少なくなり、具合がいいというわけです。

本来ピュアオーディオとAVとは別物で、バックロードホーンがセンタースピーカーにむいているかと言われれば「?」ですが、どうせ作るなら自作しがいのあるものにしようってことでこれに決めました。

では早速設計にとりかかります。
バックロードホーンでは空気室やスロート面積、ホーンの開口面積などなど・・非常にめんどい計算をしなくてはなりません。
そこで、オーディオやホームシアター人間の世界では名の知れている長岡鉄男さんの設計されたバックロードホーンスピーカーをいくつか参考にしてみました。

残念ながら設計した紙をなくしてしまいました・・ とりあえずできあがりの写真を見てください。

ユニットはFOSTEX社製のバックロードホーン専用ユニットFE108EΣ。独特のコーン紙とエッジがカッコいいです。
     

木材はラワン合板。近所のDIYセンターで買ってきました。

大きな部品はDIYセンターのパネルソーで切ってもらいました。
残りの部品はノコギリとかんな、やすりで用意していきます。
   
まだ日が高いです。                 日が傾いてきました。
     

部品の切り出しが終わったら、底面になる板に1つずつボンドでしっかりとつけていきます。ボンドははみ出すぐらいがちょうどいいようです。
ここの作業はあせることなく、確実に行います。接着するときには重りを載せるなどして、隙間ができないようにします。
スピーカーケーブルを引き込み、隙間を埋めます。
今回はフルレンジユニットを使うので、ネットワークは通しません。

一通り部品が乗せ終わりました。



最後にユニットをバッフルに取り付け、天板をしっかりと接着します。
バッフルに取り付ける位置は中央からずらします。
その後、自分が数時間スピーカーの上に乗って圧着しました。

いよいよ音を出してみよう。

・ ・ ・ うーん。 ダメってわけじゃないけどイマイチだな。

と思ってその日は寝たのですが、数日たつとだんだん音が良くなってきました!

新品のスピーカーはエッジやダンパーが馴染んでいないので、音を出して「慣らし運転」をしないと本来の性能を発揮することができないようです。
これをオーディオ界ではエージングと呼びます。
オーディオ界はともするとトンデモ系が跳梁跋扈するような世界ですが、どうやらこれは本当のようです。
接着剤が完全に乾いていなかったので、エンクロージャの剛性が足りなかったことも一因かもしれません。


最終的な評価は、初めてのスピーカークラフトってことを考慮して、まあ70点ぐらいでしょうか。
口径が10cm、ホーン長も2m弱なので低音はこれだけだと少々役不足といった感じですが、中高音はなかなかクリアでお気に入りです。
人の声の帯域がかなり良いので、映画のセンタースピーカーとしてはちょうど良い感じです。
オーディオはどうしても主観で判断してしまうので、暇があったら周波数特性はかってちゃんと考察してみようかな。

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